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第37回 (3月上旬号)
andの意味
by 柴田耕太郎
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 このコラムを読んでいる人などいるのだろうか、と時々空しい気分になるが、有難いことに読者からお便りをいただいた。

 北九州市のKさんからの御質問。
〔解答に手を入れた修正訳〕の中の一行目、
「私の次の驚きの発見は、ますます一体化されつつある移民者、外国人、ペルー・ブラジル生まれの日系人であった。」(下線部)で、
「移民者」「外国人」「ペルー・ブラジル生まれの日系人」との並列ではなくて、「移民者」の言い換えが「外国人、ペルー・ブラジル生まれの日系人」とはならないでしょうか。
(お答え)

(1)My most striking surprise was that the image of Japan as a profoundly inward place no longer applies. To someone who has lived for long periods in America and Western Europe, there is nothing particularly challenging about Japan. All the familiar landmarks of urban life are there: the same suicidal bike messengers, the same seasonal store sales, the same credit cards. To be sure, the language is tough. But in recent years, all signs in the subway and many in the streets have been printed in English as well as Japanese. (2)My next surprise discovery was the increasingly integrated immigrants, foreigners and ethnic Japanese from places like Peru and Brazil. There’s the Indian cashier in my local supermarket, always ready to help out when the hapless foreign customer’s Japanese comes up short. There’s the Filipino storeowner whose shop fits so neatly into its street in western Tokyo that it can be easily missed.

 とてもよい質問です。
 まず、並列の
and の規則を(1,2,3,などは並列されるもの。Nは任意の数)。
同一の品詞、同一の形、同一の役割、のものを並列で結ぶ。
1, 2, 3, —, and N  となる (イギリス英語では、and の前のカンマはない)
and が省かれているのは、列挙未完了、またはリズム重視の場合。
1
and 2 and 3and Nの形をとるのは、各部分を強調する場合。

 次に、掛かり方の規則(Mは修飾語、Nは被修飾語、—はさらに続くN)。
• M + N + N + — またはN + N + — + M において、

Mは全てのNに掛けるのが順当。それで、意味が通りにくければ、
直近のNにのみ掛ける。

 英語は平衡を重んずる言語であるから。
 本文の場合、
immigrants が1、foreigners が2、ethnic Japanese が3。つまり、1, 2 and 3の形で列挙終了(挙げたいのはこの3つのみ)。
 
integrated はこの3つに等しく掛かる(定石通り)。from places like Peru and Brazil は直前の ethnic Japanese に掛かる(意味の上から)とするのが順当。

 この英文、並列関係が甘く(各概念が大雑把)、疑問がでても仕方ないのですが、御質問の案が採れないのは、次の理由によります。
「ますます統合されてくる移民」イコール「外国人、およびペルー・ブラジルのような場所からくる日系人」とならない。

理由:
(ア) the でもって、以下の三つの名詞が括られている。

 これが決定的ですが、他にも、

(イ) 前後を「即ち」と続けて読者を納得させる論理的必然性がない。
(ウ) foreigners に形容詞が付いてないので総称用法(「外国人なるもの」)と読まれそう。
(エ) リズムの上(immigrants のあと、カンマで一息入れるのは軽快でない)から無理がある。

 昔、翻訳家で東大教授でもあった中野好夫が、講義で示されたのと違う自分なりの解釈をしてみたのだがと学生に問われて、「君、いくら英米人でも、そんな質面倒くさい読み方はしないよ」と答えたエピソードがあります。日本語、英語によらず、ごく普通にすんなり取れる読み方をしてみて、それでだめなら別の読み方をする、というのが文章読解の基本だろうと思います。
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